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最高裁判所第三小法廷 昭和30年(あ)257号 決定 1955年6月28日

本籍並びに住居

山口県熊毛郡大和村大字東荷一八〇九番地

農業

森重信正

明治二〇年一二月六日生

本籍並びに住居

同県同郡同村大字塩田第二四九五番地

塩田農業協同組合長

村上実

明治四四年一月一〇日生

本籍並びに住居

同県同郡同村大字三輪第二〇二番地の一

農業

鳥飼保太

明治二〇年九月二一日生

本籍並びに住居

同県同郡同村大字三輪第四八二番地の一

農業

国本正続

明治三三年七月一四日生

本籍

同県同郡同村大字三輪八一五番地

住居

千葉年銚子市小畑町新町第七七五六番地

公務員

原田優

大正五年六月一七日生

本籍並びに住居

同県同郡同村大字三輪第一三三八番地

農業

中谷貞一

明治二〇年一〇月一七日生

右各公職選挙法違反被告事件について昭和二九年一一月八日広島高等裁判所の言渡した判決に対し各被告人から上告の申立があつたので当裁判所は次のとおり決定する。

主文

本件上告を棄却する。

理由

弁護人大竹武七郎の上告趣意(一)について。

刑訴規則二四六条は、適当と認めるときは、判決書に控訴趣意書に記載された事実を引用することができると規定しているだけで、特に判決書自体に控訴趣意書を添付することを明定していないのであるから、かかる場合における控訴趣意書は判決書の一部をなすものと解すべきではなく(昭和二八年(あ)二五〇二号、同年一〇月一日第一小法廷決定)、従つて必ずしも判決書自体に添付することを要するものではない。論旨引用の判例は、控訴趣意に対し判断をしなかつた場合のものであつて、本件に適切でない。

同(二)(イ)(ロ)について。

所論は、いずれも刑訴四〇五条の上告理由に当らない。原審弁護人原田左近、同小野実の控訴趣意につき原判決が要約しているところは正当であつて、原判決には所論のような判断遺脱又は理由不備の違法はない。

同(三)について。

所論は、単なる訴訟法違反の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。のみならず所論の第一審における訴訟手続上の事由に関しては控訴趣意として主張されず、従つて原審の判断を経ていないのであるから、上告適法の理由とならない。

また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 島保 裁判官 河村又介 裁判官 小林俊三 裁判官 本村善太郎 裁判官 垂水克己)

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